174 第二回電王戦、最終局は明日4/20の9:30から生放送開始!




電王戦最終局、いよいよやった来ました
今もうすでに、すごい不安とすこしの希望で
胸がいっぱいになっています。

この一ヶ月とちょっとの間、本当に楽しませていただきました。
正直、開けてみるまでわからない勝負で
実際プロが現在2人負けているのは
驚愕すべき事実だと思います。
視聴者数も各対局で平均して軽く40万人を
超えているという点、みんなすごく注目しているし
また内容にも感じるものがあったのではないでしょうか。

そんなものすごい盛り上がりを見せる電王戦。
ざっくりとですが、1局目から自分なりに軽く振り返ってみたいと思います。



■第1局 阿部光瑠四段 vs 習甦

結果はプロの阿部四段の勝ち。
内容は阿部さんの事前研究ががっちり決まった形で、
序盤のリードを崩すことなく終盤まで完璧に指しきったと思います。

初の男性現役プロ棋士との対局で大変な注目の中だったのですが、
「盤の前に座ればやっぱり将棋は将棋だった。楽しかった。」と
相当なプレッシャーの中でも終始笑顔で、
鰻重の松とマグロづくしを平らげたのが印象的でした。

■【レポート】若き天才棋士が見せた"戦いの理想形"とコンピュータの悪手――
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■第2局 佐藤慎一四段 vs ponanza

結果はコンピュータ・ponanzaの勝ち。
歴史上、現役男性プロ棋士の初敗北になります。
中盤のねじりあいに競り勝ち、「序盤で差が付くとコンピュータには勝てない」という
常識を覆したすごく意義のある一局だったと思います。
終盤の△2六馬に関して、いろいろ検討があったみたいで
「入玉は無理だったのでは?」との見方になっています。
ただ、あの対局をリアルタイムで見ていたときに
「躱す」という手を選ぶのでなく「勝つ!」という
強い意志を持って指したように僕には見えました。
「負けました」の一言が今でも耳に残ります。

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■第3局 船江恒平五段 vs ツツカナ

結果はコンピュータ・ツツカナの勝ち。
故・米長会長が「プロ側が3-2で勝つだろう」と生前予想されていました。
たぶんおそらく、そのうちの一勝が船江さんに期待されていたんだと思います。
そのくらいの実力を持った若手有力の船江さん、僕も正直中盤で
「これは勝ったな!」と思っていました。
コンピュータの持つ「無限の体力」、
そして人間側の「時間制限によるミス・焦り」が
ものすごく終盤に出ていて、
万力で押しつぶされるような圧力の中で
焦燥していく船江さんが見ていてつらかったです。

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■第4局 塚田泰明九段 vs Puella α

結果は持将棋による引き分け。
ものすごい一局でした。
他のプロ棋士からも「勝ち目なし」と見放されたされた局面を
ベテランのプライドを捨て、泥水をすするような指し回し、
「それでも自分から投了することはできなかった」と
泣きながら感想を述べていた塚田さんの姿は
解説の木村一基さんをして
「棋士は個人のことしか考えてないと言いましたが
大きな間違いでした。こんなにも団体戦のことを
考えていたなんて恥じ入るばかりです」と言わせるくらい
胸に来るものがありました。
というか、記者会見でもらい泣きしてしまいました。

■【レポート】泥にまみれた塚田九段が譲れなかったもの -『将棋電王戦』第四局 "棋士の意地"すら超えた、勝負への壮絶な執念 (1) 第四局 塚田泰明九段 VS Puella α | ホビー | マイナビニュース
■第2回電王戦: A級リーグ指し手1号
■コメントのコメント: A級リーグ指し手1号



■そして、 第5局 三浦弘行八段 vs GPS将棋

いよいよ最終戦の第5局が明日行われます。
将棋界のトップであるA級棋士三浦八段 vs 788台並列接続のGPS将棋。
正直、A級棋士が出てくるとは思わなかったので
ものすごく楽しみにしていました。

三浦さんは前期の順位戦では唯一、羽生さんに白星を上げ
現在順位2位というまさにトップ棋士です。

呼ばれた結婚式でもくもくと詰め将棋をといていたりする
普段はお茶目なみうみう。
対局では鬼のような強さを誇り、
先日のNHK杯では木村さんから感想戦で
「ひろゆきくん、君はひどい男だよ」とぼやかれていたりと
なんかもういろんなところがおもしろくてすごいです。

ニコ生の放送は解説もすごくおもしろく、
阿久津さんや鈴木さんの早見えによる手の解説は
プロってほんとにすごいんだなぁとためになりますし、
あじあじの不思議空間と木村さんの入玉模様で
やけくそ気味の解説にも爆笑。
野月さんの「佐藤慎一さんが負けた、というより
将棋連盟として一人の棋士が負けたととらえていますし、
自分は負けてないと言うつもりもありません」と
棋士の敗戦を真摯に受け止める姿と
「泣くことじゃないから、大丈夫だよ」と
えりりんを気遣う優しさがあったり、
12時間という長丁場をしっかり支える
対局者以外の人たちも本当にすごいです。


というわけで、長々と書かせていただきました。
この4局、本当にぐっとくる名局ばかりで
この1ヶ月の土曜日はすごく
充実した日々を過ごさせていただきました。
明日で終わりなのが寂しいくらいです。
是非第3回も開催して欲しいなと思います。

ニコニコのゆるさと、勝負師たちの真剣さとを
最高のバランスで融合、昇華させた電王戦。
是非是非、興味のある方もない方もご覧になってください!
ルールがわからなくてもすごくおもしろいですよ!!


■第2回将棋 電王戦 HUMAN VS COMPUTER | niconico

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