319 いろんな種類のバックパックを使ってみた話なのです(オスプレイ・フリーライト・ボアレス・HMG・STS)

主に軽量ザックを使っています

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今回はザックの話です。

山をうろうろする際に、いろんな道具を持ち運んでます。

■299 山に持って行った道具などを並べてみるのです(使わなかったもの編)
■300 山に持って行った道具などを並べてみるのです(寝具編)
■302 山に持って行った道具などを並べてみるのです(クッカー編)
■303 山に持って行った道具などを並べてみるのです(ツェルト+α編)
■307 ツェルトのシートを農ポリシートに変えてみたのです(ツェルト2ロング+農ポリシート)

こういった物を持ち運ぶのに不可欠なのがバックパック。
バックパックにもいろいろ種類があり、
現在も資料を読んだりして勉強中です。
まだ自分の中でも上手く纏まっていないのですが
とりあえず現状で使用してきたザックの使用感と重さなどを
つらつらと書いていこうと思います。

この2年ほどはフレームレスのUL系ザックをメインに使っています。

一口にバックパックといっても、
素材や設計思想などで
使用感がかなり変わるのが興味深いところです。

多種多様なバックパックが存在しますが
僕が持っているザックは4つ。
それぞれ使い勝手が違いますので
細かく説明していこうと思います。





オスプレー タロン22

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一番最初に買ったザックは、このオスプレーのものになります。

当時はまだ泊まりだとかは考えておらず
「とりあえず低山の上まで行って降りてこれればいいや」
くらいな感じで、ショップの定員さんと相談して買いました。

最初に買ったザックとしては
結構いいものだったと思います。
日帰り登山をメインにするなら
今でもこれで十分です。

ただ、野宿前提で1泊2泊するのであれば
容量が全然足りません。

キワキワに装備を削っていけば
野宿装備も入ると思うのですが
そこまでやるなら他のザックを選んだ方がいいので
今では出番が少なくなっています。




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さて、このザック、一通りの機能は揃っています。
・背面長調整可能
・背面メッシュ
・ハイドレーションポケット
・ストックホルダー
・ベルトポケット

だいたいこれくらいはあります。
日帰りザックとしてはかなり理想的な作りです。

実際、使ってみてもそんなに不満はなく
というか、結構使い心地はよかったです。

このザックを使っていろいろやってると
「もうちょっと荷物が入れば外で寝泊まりできるのか?」と
思い始めたのが、次のザックを買うきっかけになりました。

最近、いろいろ道具周りを調べている際に
「ザックは最後に選べ」という言葉を目にしました。

「山行や旅で、自分が何をしたいかで使う道具が決まります。
道具の量でザックの大きさが変わるから
道具をそろえてからザックを選ぶが良いでしょう」的な
意味合いの言葉だそうで、
僕自身もやりたい事がすこし変わって
ザックを変える事になったのもあり
この言葉は結構的確だなぁと思っています。

このタロン22、そういう意味では
宿泊用に使うのではなく
「荷物を少なめにして全体をきつくパッキングし、
速く歩いたり走ったりする」ということには
とても向いてるザックかも知れません。

僕はまだ、野山を走り回れるほど体力がないので
もうちょっと身体を鍛える必要がありそうです。








フリーライト スピンザック50

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2個目のザックは「フリーライト」の「スピンザック50」です。

野宿装備を考えた際、どうしてもザックの容量が足りませんでした。
いろいろ調べていくうちに浮かんできたのがこの「スピンザック50」。
現在のメインザックになっています。

その名の通り、容量は50L以上あり
いろんな装備が詰め込めます。

その上、タロン22よりも軽量です。

個人的には、装備のかさばる冬季野宿まで
このザックで賄えたので
全く不満がない製品だと思っています。




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このスピンザック50の特徴としては
・とにかく軽い(タロン22より軽く、容量は倍以上)
・自分の志向に応じてある程度いじれる
・同系統のザックの中では比較的安い方

ということが挙げられます。

このバックパックを使って
いろいろパッキングをやった際に思ったのは
「春夏秋の3シーズンなら35Lでもなんとかなるけど
冬だけは50Lないと荷物が詰め込めない」ということでした。
この試行は、結構勉強になりました。

冬季は低山でも夜は0℃を下回りますから
寝袋などの寝具にはすこし余裕を持たせています。

冬用寝袋は、重さはさておき
とにかく嵩が張ってしまいます。

山の中を走り回る方々には
寝袋は最低限のものを選んで
寝てる時に寒ければ
起きて腕立て伏せをして体温をあげ
また眠る、という方法があると聞きましたが
僕にはまず無理な手法です。

一度だけ寝袋を軽いものに削って
夜を過ごしてみたものの、
寝てる間に冷えてくると
身体が体温維持に働いてしまい
横になっていても体力を持って行かれ
翌日はあまり回復せずに起き上がる事になりました。

こういった経験から、寝袋は嵩が張っても
なるべく温かいものを選ぶ事にしています。

そういった嵩の張る寝袋でも
50L以上容量のあるこのザックなら対応できますから、
使い勝手がとても良く、すごく気に入っています。

少し話は変わりますが
後述するHMGのザックを購入して気づいたのですが、
割とこのスピンザック50は、背負いやすいです。

UL系ザックは構造上、加重がすべて肩にいくので
背負いやすさは結構重要です。
その点、スピンザックの肩周りはよく出来ていて
背負っていて痛みが出た事は一度もありません。
大容量ザックだと全体の重さもそれなりになるので
こういった部分はとても大事だと思います。

残念ながらこのスピンザック50は現在、廃盤(?)なっており
購入する事が出来ません。

ですが、チタンフレームを使って
且つ軽量に仕上げた
「スピンザック50tif」というモデルが
先日発売されました。

「容量が大きくなった時の、フレームの必要性」には
僕も少し興味が出てきたところなので
こちらのモデルもすごく気になっています。

■SpinnZack50tif / スピンザック50tif




ボアレス リパック15

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3つめはボアレスのリパック15です。

このザックの購入理由は「特売で安かったから」という雑なものです。

容量的な部分でタロン22とかぶる部分が多く、
その分どちらかにしわ寄せが来ます。

スピンザック50が宿泊用に活躍している中で
「日帰り」と「泊まり」との役割が明確に分かれました。

「日帰り」に求められている部分が
かなり割り切られてきたので
タロン22より小容量なこのボアレス、
逆に小さく便利に使えるようになってきました。




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リパック15の機能としては
・背面メッシュ
・ハイドレーションポケット
・ベルトポケット

と、最低限のものは用意されています。

■306 近所の低山に登ってインスタント麺を食べたのです(片縄山)

このときに使ったのも、このザックです。

だいたい低山をうろうろするときは
「クッカーセット、水、防寒具、ファストエイドキット」を
持ち歩いています。

削ろうと思えば削れる部分もあるのですが、
このアイテムをぽいぽい詰め込むと
ザックが良い具合に満たされます。

程よく満杯になったザックは、
行動中に中身が背中で暴れないようになり
とても動きやすくなります。

そういった意味で「小さい方が都合が良い」ということも
あるのだなぁ、とすこし勉強になったザックでした。




ハイパーライトマウンテンギア 1800 + サミットスタッフポケット

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最後は、HMGの1800 Summit Packです。
購入したのは最近で、いまいろいろ試してみているところです。

このバックパックは
「キューベンファイバー」という素材を使用しています。

このキューベンファイバー、
防水性がありまして
ザック自体も縫い目にシーム加工が
しっかり施されているので
雨や水には滅法強い仕上がりになっています。

キューベン素材のザックは前から興味がありまして
一度使ってみたかったのですが
素材自体が高価なのか、
キューベン製ザックはとても高くて手が出ませんでした。

そういった中、先日たまたま中古で
安く売られてるのを見かけておもわず購入。
別売りの外付けポケットまで付いてきたので
お得感は抜群だったと思います。

HMG1800の容量は30Lほど。

数字上は、結構少なく思えるのですが
いろいろパッキングを繰り返してみたところ
外付けポケットがあることに加え、
外側に配置されたディジーチェーン
(なんか引っかかる輪っかみたいなの)が
かなり使い勝手が良く、
バンジーコードなどを自由に装着できることで
1泊2泊の装備なら詰め込めるのが分かりました。

UL系で山泊をスタートさせるなら
35Lを目安にスタートするとよい、と聞いた事があります。

冬季を除くのが条件になりますが
今回30Lのザックを使ってみて
過不足無くしっかりパッキングできたのを鑑みるに
35Lというのはとても使い勝手の良いザックなのかもしれません。




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防水性が高く拡張性もある、
とても楽しいザックなのですが
弱点もありました。

荷物を詰め込んで数時間歩いていると
首回りにすこし違和感が出てくるのです。

これは体格などのフィット感による部分も
多いかも知れないのですが、
単純にショルダーの部分に
クッション性が影響しているように思われます。

先に紹介した「タロン22」「スピンザック50」「リパック15」は
すべてショルダーにクッションが入っていますが、
このHMGのザックにはクッションがありません。

その影響か、4時間ほど山をうろうろすると
「なんか肩がへんな感じしてきたな?」と
すこしだけ荷物に対して違和感が出てきました。

個人差があるかもしれないので
何とも言えない部分もあるのですけど
スピンザック50と比べると
だいぶ肩に負担があるように感じられます。

我慢できないほどではないので
もうちょっと使い込んでみて判断したい所です。




全部計量してみます

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さてこの4つ、全部軽量してみます。
とりあえず計りに乗るよう全部ほどよく丸めてみました。




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オスプレイ・タロン22は約754g。




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フリーライト・スピンザック50は約613gです。




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スピンザックはフレームレスなので
背面パッドを別に付ける事があります。
このパッドが約75gです。

これは寝具も兼ねるので
どこに重さを分類するか悩みますが
とりあえずザック自体の重さということで
ザック613g+75g=688gで計測です。

余談ですが、スピンザックは表のメッシュポケットが外れます。
外した時の重さは300gちょっとになり
軽さだけで言えば抜群です。
使い勝手が変わってしまうので
今回は付けたままを前提に進めています。




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ボアレスは598g。




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HMG1800+パックで約434gです。
このザックもフレームがないので
パットを含めると約509gになります。


重さ順に並べると、以下のようになります。

・オスプレイ・タロン22(22L) … 754g
フリーライト・スピンザック50(50L~) … 688g
ボアレス・リパック15(15L) … 598g
HMG1800+パック(30L) … 509g


それぞれ機能などが違うので
一概に判断は出来ませんが、
個人的な使用感でいうと
スピンザック50はすごくバランスが良いと思います。




番外1 シートゥサミット ウルトラシル DRY デイパック

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ちょっと番外編。
シートゥーサミットの折りたたみパックです。
容量は20Lです。




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折りたたみパックなのでごらんの通りのぺらぺらです。

でも、このパック、防水加工が施されていて
水にはとても強く出来ています。

感覚的には「ドライサックに肩紐付けたもの」といったところで
重い物を入れた時には肩紐がぐいぐい食い込んで結構つらいです。
ですので、長時間の移動に使うには向いていません。




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山などでは使っていませんが、自転車のポケットに常時入れています。

小さく纏まって軽量、容量は結構あるので
普段の買い物に使うにはものすごく便利で
個人的には自転車と抜群に相性が良いと思っています。
スーパーの袋なら2袋くらいは入ります。

日々の暮らしで使っていたら
付属のスタッフサックを無くしてしまいました。
ギッチギチに詰め込めば小さくなるサックでしたが
あまりにもギチギチでかなり丁寧に畳まないと入らなかったので
まぁこのまま使っていても不便はないかなぁと思っています。




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重さはだいたい104g。
スタッフサックに使うのには少々無理がありますが、
突然の雨に、濡らしたくないものをポイポイいれておけますから
そういった意味でも自転車と相性良いなぁと思っています。






番外2 自転車の大容量サドルバッグとの組み合わせ

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スピンザック50やHMG1800はフレームがありません。
計量時のように、まとめようとすると
結構小さくなってくれます。




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自転車の大型サドルバッグです。
(これについてはまた別の機会に詳しく書きます)




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小さくまとめた状態のHMG1800は
このサドルバッグの中に入ってしまいます。




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詰め込んだところです。
HMGの前に雨具を入れていますが
クッカーセットくらいならまだ入りそうです。

こういった感じで
登山口まで自転車で行って到着したら荷物を展開、
ザックに詰め込み直して低山をうろうろする、という感じで
最近は行動しています。




終わりに

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というわけで、いろんなバックパックのお話でした。

先にも書きましたが、
「バックパックは最後に選ぶ」というのは
結構正解のような気がしています。

しかしながら
「山とか行った事ないから何ができるか分からないよー」
ということも、僕自身がそうだったので
よく分かることだったりもします。

「野宿する」「ご飯を作る」「とにかく歩く」を
全部まとめてバランスよく1つのザックで考えるのであれば
やはり35L程度のシンプルなザックがいいように思えますが、
これはテントは軽量系のものを選んだりする工夫がいるので
なかなか難しいところはあります。

「日帰りなら15L」「野宿装備なら50L」くらいを目安に考えていくと、
仮に2つザックがあっても死蔵することがなくなりますから
先ずは日帰り15Lから入って、そこから次の装備を考えていくと
すごく楽しいと思います。

ザックで悩んでる方の目安や参考になれば幸いです。


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