321 新しいザックを自作してみるのです(前編)

自分でザックを作ってみよう!と思ったのです
しばらく前に書いた通り
いろいろなザックを試してみたりしていました。

319 いろんな種類のバックパックを
使ってみた話なのです(オスプレイ・フリーライト・ボアレス・HMG・STS)


このエントリーで書いたザックも
その後、いろいろ入れ替えがあり
現在のメインはFreelightのスピンザック50のみになってます。

しかしながら、いろいろ行動しているうちに
50Lの容量だと装備によっては
ぶかぶかになってしまう場面があったり、
メッシュ部に若干の不満があったりと
すこし考えるところが出てきました。

いろんなザックを使って
あーでもないこーでもない、と
荷物を詰めたり出したり、繰り返してるうちに
「自分なりの行動パターンだいぶ固まってきたし、
ザックもそれに合わせていけば良いのでは?」と考えました。

ザックを合わせる、といっても
こういったザックは結構高くつくもので
何度も買い換えたりはしづらいです。

なので、自分で作ってみることにしました。




メインの材料は「イケアの袋」なのです
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IKEAの袋です。

■FRAKTA キャリーバッグ L – IKEA

レジ前に置かれている99円のイケア袋。
しばらく前に言った際、レジ袋として購入しました。
運搬には便利だなぁと思ってはいたものの
特に利用することもなく押し入れで死蔵。
ネットでぼんやりザックのことを調べていたとき
海外の方で「イケアの袋でザック作ったよ」という方がいて
「うお、そんなことできるのか!」と驚きました。

「では自分もやってみよう」と言うことで
押し入れから引っ張り出してきたのが
今回のイケア袋です。









早速分解!

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さっそくバラバラにします。

このイケア袋、基本は2枚で作られていて、
底部分の1枚とそれをくるっと囲む大きな1枚。

この2枚がメインの材料になります。

これだけの素材が取れて
99円なのだからすごいです!
最初に思いついた人えらいです!




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縫製をカッターでちまちまほどいて糸だらけ。

先日、改めてイケアにいった際に知ったのですが
今のイケア袋Lは糸で縫う方式じゃなくなってしまったみたい。


今回のを練習台として、もう1個つくるか考えてたのでショック!
でも2枚買えばなんとかなりそうですし
それでも200円なのでムチャ安です。




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ちょっと写真では分かりづらいのですが、
当たり前ですけど縫製の時に開いた穴があります。

ミシンで縫った部分というのは
素材が弱いとある種の「切り取り線」みたいに
作用することがあるので
強度的にどうかなぁ?と心配しながら作っていました。

結果から言うと、全く問題ありませんでした。
すごいなイケア袋…。

ただ、雨が降ったりしたらそこからしみこんでくるので
穴が開いてる分、若干防水性は落ちますね。



他の材料なのです
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さて、ザックに再構築するには
他にも材料が必要になってきます。

事前に考えただけでも

「先ず背負うのにショルダーいるでしょ…」
「サイドにはメッシュでペットボトル用のポケット付けたいし…」
「背面(フロント?)もメッシュでポケットいるよね、大事」
「あといろんな留め具とかもいるね…」

と、あれこれ考えて
とりあえず近くの大型手芸店へ。

が、欲しい素材の取扱がなく、店員さんに相談すると
「メッシュはこういったものになります」
「なるほど…用途的にはどういったものなのですか?」
「舞台衣装や、コスプレされる方が買っていかれますね」
「なるほど…(強度が分からない…!!)」
といったかんじの説明でした。

ほかに手に入る物もなさそうだったので
そういった舞台衣装関連の素材をチョイス。
結果から言うと藪漕ぎなどをしない限りは大丈夫そうです。

あとはショルダーハーネス用のナイロンコードや
所々につかうショックコード(バンジーコード?)、
プラスチックの留め具などを購入しました。
こういったものは、手芸店よりも
モンベルや石井スポーツなどの
登山用品店の方が揃っているのでおすすめです。



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ポリエステルメッシュ生地黒
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メッシュはこういった素材を使いました。
自分で作ってみようかな?って思われる方は、
通販では手で確認することができないので
なるべく店舗で探されることをおすすめします。




■Amazon.co.jp: コードロック: スポーツ&アウトドアストア
コード関連はこういったものを使いました。
この辺も実店舗で購入できるなら
そちらで必要量買うのがいいと思います。

■モンベル | オンラインショップ | 3mm 丸ゴム
■モンベル | オンラインショップ | サイドリリース バックル 20mm 両引き (SRGMD)
■モンベル | オンラインショップ | サイドリリース バックル 25mm 両引き (SRGMD)
■モンベル | オンラインショップ | ラダーロック 20mm
■モンベル | オンラインショップ | ラダーロック 25mm
■モンベル | オンラインショップ | ウェビングテープ 20mm
■モンベル | オンラインショップ | ウェビングテープ 25mm

モンベルもこういったものの取扱あります。
モンベルは有料のモンベル会員だと送料無料になりますし
代引き手数料もタダになるのでアウトレットなど
上手く使える方にはオススメかもしれませんね。




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CONDOR スリッククリップキット 221092 [ ブラック ] ベルト調節
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ウェストベルトは脱着式にしたかったので
こういったプラスチック金具も使いました。

どうでもいい話ですが、こういった金具って
名前がよくわからないから
ネットで探すのめちゃくちゃめんどくさいですね。
サバゲーやってる方にはおなじみのパーツでしょうか。
いろんな便利なパーツがあるなぁと感心しました。



またショルダーハーネスにはこの金具を使いました。
交差用アジャスターって名前、生まれて初めて知った…!


■モンベル | オンラインショップ | チェストストラップ

ちなみにモンベルでは後付けで使えるものも用意されてます。
価格も安いですし、こちらでも良いかもしれませんね。



ちなみに、上の写真で並べた分でだいたい1600円ほど。
パーツの選択ミスがあり、追加で買った分を含めると
だいたい2800円程度でした。
イケア袋と合わせて3000円程度で外装は出来る計算です。
やすい!




切ったり縫ったり…

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さて、バラバラにしたイケア袋の2枚。

この2枚がザックの基本構成になるので
必要な長さを測り、切っちゃいましょう。

大きい方は1枚構成、Uの字でメインになります。
肩幅を考えたサイズにカット。余った部分も使います。

底部の1枚は半分に切ってサイドパーツに。
長さが少したりないので、先ほどの余剰分をカットし継ぎ足します。




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なんだかんだあって、サイドはこんな構成に。
ペットボトルが2本入って、コードで絞れる作りです。

長さが足りなかった部分は2枚継ぎ足しました。
これで全部合わせたときにほどほど良くなるはず。




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平行してショルダー部も作っていきます。




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ショルダーにはクッションが必要なのですが
「薄くて柔らかくて丈夫」という素材は
知っている範囲だと結構高く付いてしまうので
家で死蔵していた「バンドック」という会社の
フォールディングマットを切り取りました。
180cmあるのでいくらか切り取っても問題ありません。

というか、こんなでこぼこで、背負ったときに違和感無いか?ということが
懸念されたのですが、結果からいうとそんなに違和感なかったです。
2,3日の山行だとまた違うのかよく分かりませんが、
どちらかというと、ザックに詰め込む重量の方が影響大きいみたいです。



このマットは1300円とすごく安いので
素材としても優秀です。




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とりあえず形になりました。




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形になったので縫い付けます。




メッシュでポケット!
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メッシュでポケットを付けていきます。

いろいろ悩んだのですが、
強度的な不安があり
メッシュは2重にすることにしました。




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ガンガン縫っていきます。

ちなみに僕はミシン使うのは
実質初めてみたいなものだったのですが
終わる頃にはそこそこ扱えるようになったので
ザック作るのは勉強になるなぁと思いました。





だいぶ縫えました!
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だいぶ縫えました!
縫製した部分を隠す為に
余っていたイケア袋のベルト(?)を利用。
当たり前ですけど色的には素材に合いますね。

後はサイド2枚をメインに縫い合わせるだけです。
左右間違えて付けたら目も当てられないので
一度展開させて確認しています。




とりあえず完成?
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というわけで、とりあえず背負える形になりました。

夜にちまちま作業を続けて
だいたい1週間ちょっとかかりました。

とりあえず、自分の野宿道具を詰め込んでみてます。




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裏側はこんな感じです。




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完成後からすこし改良して
ショルダーハーネスと
ウェストベルトをとりつけてます。




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内部はシンプルです。
背面パッド用のスリットを用意しただけ。
すこし大きめに作って、汲んだ水なんかを
入れれるようにしています。




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Freelightのスピンザックで不満だった
メッシュポケットは
山と道のザックを参考に
マチを大きめにして、下をカットしてます。

下の方までポケットがあっても
そこにいれたものは取り出しにくいですし、
そんなに入れてると重心も悪くなるので
これくらいのサイズが使いやすいです。
(余談ですが、メッシュポケットは
雨具や畳んだツェルトなど
水分を含んでしまうもの、
とっさの雨に対応出来るものを入れています。)

大きさはおそらく40Lほど。

自分が使ってきた経験から
「30~35Lは頑張れば荷物は詰めれるけど
ほとんどスキマがなくなってしまう。
そこに何か足すと外付けの袋が必要になるから
最初から5L足して40Lの方が良くない?」
という考えがあり、この5Lが結構大事な気がしています。

行動中の水の増減、食糧の消費なんかで
スキマ無くキチキチに入ってた部分に
急に空間が空いたりするより、
最初からほどほどの密度で
ある程度のフレキシブルさがあっても
いいんじゃないかなぁというのが
最近思うところだったりしました。

ただ、それでも50Lは大きすぎて
よっぽどがっつり欲張った装備じゃないと
空間が空きすぎて使いづらかったので
自分にとっての「程よい容量」は
今のところ40L、という感じです。




気になる重さは?
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縫い終わり直後の重さはだいたい292g。
ここからすこしパーツがくわわってるので
だいたい300gちょっとという感じです。

メッシュを二重にしたりした割に
思ったよりも全然軽くてびっくりです。

ここからもうちょっと改良が必要なので
最終的には350g程度になりそうです。




自作バックの話でした!
というわけで、自作バッグの話でした。

肩への負荷が、身体的にも素材的にも
気になる所だったので
完成後、水を10Lほど入れて
小雨の中を1時間ほど散歩してみました。

「肩のパッドとか素人がテキトーに作った物だからなぁ…」
と、あまり期待していなかったのですが
思ったよりは肩への負担は悪くない感じ。
ですが、これで山道を5時間6時間いくのであれば
ちょっと問題あるかなぁと思い
その後、ショルダーハーネスと
ウェストベルトを追加しました。

素材的にもすこし負担のかかる部分がわかり
その部分をもう少しミシンで補強をかけました。
これでだいぶ良くなりました!

というわけで後編は実際使ってみた話です。

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