221 【レビュー】 ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボードが届いたのですが、すごく微妙だったのです。



先日、Thinkpadキーボードの新型が安くなる
クーポンが出てるよーと日記に書きました。

■214 ワイヤレスThinkpadキーボードのクーポンがでていたのです。 | almostdead

無線TPキーボードはファン積年の夢でしたので
僕もとりあえず飛び込んでみました。

注文したのが6/30、到着が7/6でした。
レノボ直販だと注文してから1週間ほどかかるので
だいたいそのくらいですね。

この2,3日、結構じっくり使ってみました。
結果から書きますと、「大変微妙な感じ」です。
期待値が「10」としたら、製品は「7」くらいの感じでしょうか。
詳しく書いていきたいと思います。






あまり関係ないのですけど
香港から来てるんですね。






わくわくしながら
せいや!と開けるとまた箱が…。






中の箱にはちゃんとキーボードが入っていました。安心。






内容物はこれだけです。
キーボード本体、microUSB、説明書。

先に書きますが、このキーボードは
別途ドライバを導入しなければ
きちんと使う事が出来ません。
が、CDは付属していません。
オフィシャルサイトでのDLは大変わかりづらい場所にあったりと、
定価14175円の製品にしてはあまりに不親切でどうかと思います。

■ThinkPad コンパクトキーボード – ドライバー
ドライバはたぶんこれです。






製品を手にとってみてまず思ったのは「薄!ちっさ!」。
この辺は流石にしっかりつくってあります。






裏側。
足の先が赤くてかわいいです。






上側にはUSB口。充電はこちらで行います。
一応「フル充電で30日は駆動可能」というのが公称値。
どれだけの時間使って30日なのかが不明瞭なのも気になります。

加えて、バッテリーは内蔵型なので
何年か使っていって、へたったときはどうするか今から考えています。






旧型Thinkpad USB トラックポイントキーボード
との比較です。






パームレスト部がないのでだいぶ
小さくなったように見えますし、
実際すごく小さいです。






キーボード部を合わせて乗せると
わかりやすいかもです。

下だけでなくて、上も結構削られてありますね。

ただ、この「パームレスト」の部分が結構評価が難しいです。

というのも、この部分を無くしてしまうと
長時間のタイピングの際に
結構手首に負担がかかってきてしまいます。
ある意味「快適性」が失われるんですね。

僕も昔「こんなの邪魔だよ!省スペースさいこう!」とか言って
最初期モデルの「IBM Space Saver II Keyboard」というのを
導入したのですけど、これで割と失敗してしまって
結局旧モデルのUSBキーボードの方に
出戻りした経験があります。

■IBM Space Saver II Keyboard – Google 検索

なので、この辺の「省スペース」という部分の評価が
僕の中ではかなり難しかったりします。
Bluetooth製品として仕上げてきたのは
昨今のスマホやタブレットとの連携を踏まえてのことで
となると「携帯性」といった部分で「省スペース」や
「軽量化」が考えられるわけで、
こういった部分ではかなり正解なのではないでしょうか。

反面、僕みたいに
「無線のTPキーボードをデスクトップで使いたいの!」という
少数派と思われる願望には適さないかなと思います。

キーボードだけではなく、モバイルデバイスなどにも言えるのですが
人間の指の大きさがある程度決まってる以上
行き過ぎた小型化は快適性を失わせます。
この案配の取り方はまだ最適解は出ていないみたいで
各社いろんな製品でその是非を試してる最中。
このキーボードもその流れの1つだと感じました。






さて、省スペース化にあたって
キーの数がいくつか減らされています。






そのしわ寄せがこのあたりに来ています。
矢印キーの部分がPageUpとPageDownに変更。
「良くわからないけど何故かここにあって
結構な頻度で誤爆する」といわれてた
あのボタンがなくなるのは少し寂しいのはさておき、
矢印キーの部分に付いてた突起がなくなっていて
これも地味にわかりづらく、使いづらくなっています。






こちら旧キーボード。Altキーの横にあった「メニューキー」が、






「PrintScreen」キーに差し替えられています。

いやまぁ、メニューキーとかほぼ使わないんでいいんですけど、
へんな所にプリントスクリーンが左遷されてしまって
なにかあったのか心配してしまいます。






旧キーボード右上。






せり出していたキーがなくなって
各所に分散された形ですね。

完璧にリストラされてしまったキーもあります。
「スクリーンロック」「ポーズ」「インサート」キー、
この3つはキーボード上に確認出来ませんでした。

加えてファンクションキーの隙間がなくなっていて
大変使いづらくなっています。
その割にDeleteキーは横長で、
正直「この長い分をFキーのスペースに当てませんか…」と
うなだれてしまいます。
僕はフォトショップなどの作業でショートカットとして
ファンクションキーをよく使っているので
こういった変更は地味に快適性を落としています。






さてさて、そのファンクションキー。
見ていただくとわかるのですが、
デフォルトでは機能ボタンとして割り振られています。
たぶんWin8を意識したキー配置だとおもいます。
Win8が安くなっていたから買ってみて
すぐにWin7に戻した僕には必要がないです。
(使い慣れたらたぶんWin8も面白いと思う)

事前の発表で、この部分についての変更もわかっていて
「これはESC+Fnキーでファンクションキーとの機能入れ換えが可能」
ということも同時に書いてあったりもしました。

僕はこれを文面通りに受け取ってしまって
この製品を購入してしまったのですが、
この動作がかなり行儀が悪くて困りました。






というのも、「Fnキー入れ換え」はドライバ側でやる事らしく、
キーボード自体にメモリがあって記憶する仕様ではなく
この「ドライバ」の精度が僕の環境では著しく低いです。






ご覧の通り、「ESC+Fnキー」で
ファンクション入れ換えしたのですけど
全く入れ替えが効いていなかったりと、
「んん?」という状況になってしまい、
原因をいろいろ探る羽目に。

いろいろ試してみたところ、
「旧USBキーボードを同時接続すると
このキーボードは正常に動かないっぽい」
というのをUSBを抜き差しして確認しました。

正直、この程度のドライバの精度ってどうかと思います。
特別なドライバに頼らなくても
デフォルトで使いやすいのも
Thinkpadキーボードの良さだと思っていたので
この部分はすごくがっかりでした。

加えて、上でも書きましたが
「付属にドライバCDが付いていない」
「公式からのダウンロードがわかりづらい」という
Fnキー周りの挙動を合わせた3連コンボは
かなりダメージが蓄積して
僕の製品評価をすごく下げてしまっています。

正直書かせてもらうと
「え、これで定価14000円とかないよ!」と言った完成度です。

ドライバに関してはもう一点あり
「起動時にペアリングをし直さないと
キーボードを認識しない」という症状が
僕の環境下では起こっています。
これの原因はまだ追求できていなくて、
現状では再起動の度にペアリングしなおしてます。
まだ製品自体のレビューをしているサイトさんが少なくて
僕と同じ症状の方を見つける事はできておらず
なにが原因かもちょっとわかり兼ねています。

ドライバ周りに関しては
今後のアップデートもあるかもしれないので
淡い期待を持っているのですけど、
レノボキーボードってドライバの更新は
そんな頻繁にやってる印象はないんですよね…。
うーむ、困ったぞ。






といった感じで、
「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」
の購入レビューでした。

ぶっちゃけて書きますと、
「値段はがっつり上がって
全体的な質は20%ダウン」といった印象です。

元がいいので、それでも大変使いやすく
今この文章もこのキーボードで書いているのですが、
上に書いたことの他にも
「打鍵感が少しふにゃってて安っぽい」とか
結構大事な部分の質が若干下がっています。

しかしながら、冒頭に書きましたとおり
Thinkpadキーボードの無線化は
待ちに待ったことでしたから
そういった部分は、僕は目を瞑ります。

ただ1点、「価格面」ではどうかと思います。

アメリカでは64ドル(6400円?)で売られているものが
日本の直販では「13000」円。
はっきり言ってぼったくりです。

僕はレノボが時々配布している
クーポンを適用して「9128」円で購入しましたが
それでもかなり割高感があります。
「知り合いに勧めるのであれば4000円くらいじゃないと
胸を張っていいよ!と言えない」というのが
使って見た印象です。

考え方によっては
「打鍵感はモバイル環境下で音を押さえるために
ある程度ふにゃっとしている」とか、
上記の通り「持ち運び前提で省スペース化に踏み込んでいる」とも
解釈出来たりすると思います。
たしかに、モバイルキーボードと定義づけたときには
かなり良い線行っているのでは?という印象はあります。
でも、アンドロイドやiOSなどでは一部キー配列が代わったりと
なんとも微妙な空気感になってしまってもにょもにょ。
なんだか「Win8の犠牲者」という単語が頭をちらついてしまうのは
よくないことかもしれませんけど、ファンクションキーに関しては
もうちょっと冷静になった方がよかったのではないでしょうか?と
差し出がましいとは自覚しつつも、一ユーザーとして
一言だけ申し上げたくはなりました。

最近のBluetoothキーボードの進化はめざましく、
特に「Logicool」製品はモバイル分野も含めて
すごく気合いの入ったものが多いです。
加えて、ドライバの「Setpoint」などもの
こまめに更新されていて安定度を上げてきてます。

■almostdead | 2181

しばらく前にレビューしたこのiPad用キーボードは
本当にすばらしい製品で、iPad miniに買い換えましたが
同シリーズの製品を買い直したくらい気に入っています。

昔は「Thinkpadキーボード一択!」ってくらい
使い心地も性能も良かったのですが、
この3年ほどでかなりロジさんも盛り上がって来てる印象で
そういった面を含めても、今回レビューしたBTキーボードは
「もうちょっとがんばろう、いろんなところを」と思ってしまいます。

僕は、結構高い金額を出して今回買ったので
地味に使って行こうと思っていますが、
周りの人にお勧めするのであれば
旧製品の「USBキーボード」の方を推します。
こちらは文句なしに使いやすく、
打鍵感も一つ前のものより上がっていて気持ちいいです。

今回のキーボードは
「待たされた分、期待値も上がってしまい
良くない方向に転んでしまった」という印象が強いです。
そしてアメリカの倍の価格付け。悪印象です。

キーボードとマウスに関しては
日常触れて過ごすものですから
なるべくこだわりたい、という意識もあり
今回は厳しめのレビューになりましたが
参考になれば幸いです。
USBキーボード、すごくいいですよ!




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