最近は、早起きしたら朝に、
朝出来なかったら夜に、
ウォーキングを40分ほどやっています。
年齢を考えると
「歩いて健康になる」というよりも
「今の健康をなんとか維持する」という
より良い負けを拾いに行くような作業で
気持ち的にはなんとも言いがたいのですけど、
ウォーキングコースが比較的風のあるところなので
歩くこと自体が気持ちよく、
ただ暑い部屋に座って汗を滲ますより
動いて汗だくになった方が楽しいことに気づき
そこそこ続けていられる状況です。
夜に歩き回るときは、帰りに近くのスーパーで買い物を済ませます。
大抵、レタスとカイワレ、それからトマトジュースと豆乳、
バナナいったところを固定させていて
レタスとカイワレはさくっと処理してサラダコンテナに。
トマジューはトマトが高くて買えないのでサラダ代わりに。
バナニューは毎朝の手軽なゴハンとして活躍です。
ふとレタスを求めに野菜コーナーを歩いていたところ
目の前に売れ残っていた黄色い西瓜が飛び込んできました。
398円とすこし高めだったので
「今日はやめておこう。黄色だし」と
うすらぼんやり通り過ぎようとしたところ
ふと幼少の記憶がよみがえりました。
子供時分の僕の目には
赤い西瓜と対比された黄色い西瓜は
それはそれはとても美味しい果物にみえて、
ともすれば「多分あれはスイカを超えた味がする」と
指をくわえてよだれをたらしていました。
そこで親にスイカを買って、とねだるわけですけど
「黄色いのより赤い方が美味しいに決まってるじゃない」と
買ってはくれるものの、それは赤。
「いや実際赤い方も美味いんだけれどもちょっとちがうような…」
その場は思うものの、赤いスイカのうまさに不満は吹き飛びます。
そうこうしているうちに
僕はこの歳になってしまい、
これまでちゃんと黄色いスイカを
食べたことがなかったのです。
通り過ぎようとした野菜コーナーの
黄色いスイカを通過する刹那、
そういった子供の頃の記憶がフラッシュバックして
「中華、なんで黄色の方が味が
劣ってるって決めつけてんだよ、俺の親は!!」
と、なんだかいわれないレッテルに
無意味な激怒。
怒るがままにレジへ黄色いスイカを持っていき、
汗だくジャージが帰宅したころには
「別に買わなくてもよかったのでは…?」と
冷静になっていたりでした。
その後、買ってしまったものは仕方ないと
冷蔵庫でしっかり冷やして、
翌日ひとりスプーンでモシャモシャ。
中までちゃんと冷え切った
黄色いスイカは思いの外美味しく、
「なんだようめーじゃん。
だれだよ赤の方が美味いって決めつけたヤツ…」
と、また無意味な激怒がふつふつと沸いてきましたが、
黄色いスイカは食べていくと皮の部分と身の部分の
境目が大変分かりづらく、面白いのと
「俺は種は吐き出さない。飲み込むだけだ」と
一筆くんが先日もしゃもしゃスイカを食べていたのを
思い出したのと、当たり前にスイカが美味しいのとで
わりとどーでもよくなってきて
ぺろっとしあわせに。
「ん!?こうやって買い食いしてるから
歩いてもお腹へっこまないんじゃないの!?」
と、気づいてしまうまでは
とても穏やかな幸福に浸っていました。