だいたいこんな目に遭ってきました
このあと、夜中1時にこのツェルトを畳む羽目になります。
降るかなぁ?降らないかなぁ?と怪しげな天気に見事やられてしまいました。
近くに橋があったので、いそいそと雨で重くなったツェルトと
荷物一式を移動させたはいいもののさてどうしたものか?と
寝ぼけ眼でうすらぼんやり。とてもねむかったです。
出発前に「今回は緩く痛い目をみよう!」と
はしゃいでいたので
思った通りに良い経験をしました。
というわけで、ファイントラックの
『ツェルトⅡロング』という製品のお話です!
ツェルトなのです
そもそも「ツェルト」ってなんだい?という話です。
ドイツ語で「ツェルトザック」からきているとのことで
英語では「テント」といいます。
まぁ、テントですね。
で、日本ではだいたいテントは一般的なイメージどおりのものを指しまして、
こちらの「ツェルト」は「テントを簡略化したもの」を指します。
使用用途としては、「泊まりの登山じゃないけど用心のため荷物に入れておこう」的な
安全確保の面での利用が主だったみたいなのですけど
最近は素材の進化、荷物全体の軽量化などもあり
テントでなくこちらを積極利用する、という人たちも増えてきています。
大きさ比較。
左は2人用のテント。
真ん中は今回のツェルト。
右は500mlのペットボトルです。
重さも2人用のテントは2.3kg程度あります。
ツェルトはだいたい350g程度。
ただ、この重量差はちょっと公平ではありません。
後述しますがテントには自立する骨組みが入っています。
早速立てていきます
さて、ツェルトを立てていきましょう。
袋から取り出すとこんなかんじです。
広げて。
広げて。
だいたいこのくらいの大きさに…って写真分かりづらいですね。
ツェルトの生地があまりに軽量なため
風の吹いていない場所でもふわふわ漂ってしまいます。
僕もツェルトを立てるのははじめてなので
写真を撮りつつ、押さえつつ四苦八苦。
だいたい広げたら、四隅+中央の計6カ所をペグダウンします。
今回の野営地は下が土なのでペグも打ちやすそうです。
分かりづらいですが、ペグ打ち込みました。
で、この時点で後ろを見ると
一緒に来た友人はテントを張り終えています。
手際いいな!?
さて、このツェルト。
先述したとおり「簡易的なテント」ですので
いろんな物が省かれた状態です。
省かれたものの一つに「ポール」があります。
普通、テントは「天幕」+「ポール」のセットで
自立して立ってくれるんですけど、
ツェルトにはポールが含まれていません。
ですのでツェルトを立ち上げるためにポールが必要で、
またポールにツェルトをくくりつけるための紐も必要になります。
で、この紐なのですが
先ほど書いたとおり僕はツェルト立てるの初めてで
どのくらいの長さが必要か分かってませんでした。
説明書には「5mが2本居るよ(+α)」と書いてました。
ここにあるのは5m1本のみ。
とりあえずやってみます。
先ず、紐を二つ折りにして
ツェルトの屋根部分に通します。
こんな感じですね。
これで2.5mと2.5mの2本紐ができました。
ポール的なものを用意します。
今回は普段から使っている
トレッキングポールを持ってきてみましたが
行く場所に適当な枝とか木があれば
それを拾ったり、木にくくりつけたりして
立ち上げてしまうのもいいと思います。
と、ここまで写真撮りながらやっていたのですが
急にあたりが暗くなり始めてきまして、
急ぎで立てないといけなくなったため
写真が撮れませんでした。
このあと…
1. ポールを通す場所の前を結んで止めておく
2. ポールになんか上手く引っかける
3. 2本の紐の端をペグダウン
という流れになります。
また機会があればこの辺は追記して補完したいです。
という手順を経てなんとかツェルトが立ちました!
周りはもう薄暗いをとおり越して夜になり始めてました。
もう片方のポールは、予備に用意してきていた
4m弱の紐でどうにかこうにか立てました。
このへんはやってみて分かった事なのですが、
2本に分けてペグダウンするのはいらないのかもしれません。
山岳地帯で風の影響を受ける場合は
2本と2本、計4カ所で紐をペグダウンするのは必須です。
ただ、今回みたいに比較的穏やかな場所であれば
3mくらいの紐だけでテキトーに立ててしまうのも
良いかもしれません。
しかし、今回は結果的にはこの後雨に降られるので
この張り方でよかったと思います。
状況に合わせてやり方を変えれたらもっといいですね。
もう周りが暗くて何が写ってるか分かりづらいですね。
ポールは入り口付近の場所に来ていて
出入りはしづらいです。
中はこんなかんじです。
ちょっと説明が前後しますが、
ツェルトの四隅をペグダウンする前に
中のフロア部を結びつけた方がいいみたいです。
ペグ打つ際にある程度テンションをかけないと
ポールで立ち上げた時にツェルト自体がダルダルになってしまい
雨風の影響を受けやすくなります。
立ててる間に外れてしまったフロアの紐を直します。
この紐で結ぶ構造、
地面が露出してしまうわけですが
逆に地面を露出させることで
そこに靴をおいたり
コンロを使ってお湯を沸かしたり、
ツェルト内に「土間」的な部分を作れたりもします。
尤もテントやツェルト内での煮炊きは推奨されないので
自己責任でやるわけですけど雨が降ってきた時なんかには
重宝するかもしれませんね。
これまた分かりづらくてすみません。
ツェルト内の広さですが、
174cmの男性が靴を履いて横になっても
十分な長さがあります。
今回はサイドリフター(横に紐つけて広げる)は使いませんでしたが
そちらもちゃんとやるともう少し横の空間も広がりそうです。
先述のとおり、出入りは結構しづらいです。
「ささっと飯食ってぱぱっと寝る!」という感じがします。
それでもこの重量からすると十分すぎるほどの居住性です。
しばらく外で飯を済ませたりして戻ってみると
天井にはいもむしくんが散歩していました。
床が空いている作りですので
まぁ虫も入ってきやすいですね。
日が沈んで気温も下がれば
ツェルト内も結露がでます。
ただ、これはどのテントでもだいたい同じで
自分が使っていた2つのテントでも
似たようなものか、これ以上に出ていました。
今回使用しているファイントラックの
ツェルト2ロングという製品の素材は
透湿性の高い生地を使っているとのことで
なるほどこれくらいに抑えられるのだなぁと
使ってみてわかりました。
はっきり言えば
居住性は一般的なテントには劣ります。
が、その軽量さは驚くものがありますし
使う当人の技量で快適さも底上げできます。
「野外での活動に何を求めるか?」で
道具の選択肢は変わっていきます。
そういった意味では
このツェルト、ものすごく魅力的な製品です。
で、冒頭に戻ります
とかなんとか考えながら
うつらうつらしていたところ、
ツェルトがはためきはじめました。
「ん、なんじゃろ?」と思ってライトを付けると
ばっちり雨が浸水してきています。
この瞬間まで「ツェルトは雨にあらかじめ処理がいる」のを忘れていました。
ツェルトだけでなく、例えば「傘」なんかもそうなんですが
こういったナイロン生地は「撥水性」が高いのであって
「完全防水」なわけではありません(防水性は高いですけど)。
ですので、傘などは骨組みでピン!とはって
撥水性をもって雨を外にはじき出してるわけです。
今回、ツェルトもある程度テンションをかけて張っていたのですが
肝心の「シーム処理」を完璧に失念していました。
注文した時は「あーちゃんとシームしないとなぁ」と思っていたのに
いざ物が届いてみると「うへぇ!早く使いたーい!どこで張ろう!?」と
有頂天になりすぎて、雨に降られるまで忘れていたのです。
当たり前の話ですけど、このツェルトは生地を縫い合わせて作ってあります。
で、縫われた部分は針と糸の通った「穴が」空いてるわけですね。
その「穴」の部分から雨なんかが浸水するのです。
シーム処理というのは、その「穴」の部分に防水シールや
柔らかい接着剤みたいなもので覆ってしまって
防水性を高める処理の事。
これも人によって「するひと、しないひと」に分かれるのですが、
僕の使用目的では場合はやるべきでした…。
今回僕の持ってきた荷物の中にシュラフカバーはなかったので
いったんツェルトを畳んで移動する事にします。
いざ畳んでみると、雨を吸い込んで生地がだいぶ重くなっていました。
頭の中で偉い人がなにかまくし立てます。
「では、諸君。夜中で明かりが乏しくあるが、ヘッドランプの明るさで
眠気を抑えてもう一回ツェルトを立てようではないか!」
「ふざけんな」
ちょっとその時の僕には再設営は無理そうでした。
しょうが無いので友人から鍵を借りて
車の中に逃げ込ませてもらい、
4,5時間睡眠をとりました…。
そんなこんなでツェルトでした!
というわけで「ツェルトⅡロング」という製品の話でした。
まとめると…
・すげー軽いよ!
・でも虫入ってくるよ!
・雨には処理が必要だよ!
みたいな感じです。
正直、虫は苦手ですが外にいる以上しかたないのであきらめます。
雨に関しては、処理を忘れた自分が悪いので今回は評価できません。
もしかしたら、あの状況でも撥水性の化繊シュラフかシュラフカバー、
ないし思い切ってエマージェンシー系の寝袋で割り切れば
そのまま寝る事も出来たかも知れません。
この辺は自分のスキルの低さが原因ですね。
いろいろ考えてみても
テントをバックパックに入れた時の重さを
ツェルトに変えてみる、というのは
ものすごく魅力的です。
立てるのにはコツが要りますけど、
紐なんかは一度くくりつけてしまえば
そのまま収納してしまえばいいですし
慣れてくればそれなりに早く設営できる気がします。
仮にポールを持ち歩かない場合、
設営場所なんかの問題が出てきます。
これが最大課題な気も。
このへんはもうちょっと経験を重ねる必要がありますね。
眠い中たたき起こされたのはつらかったですが
雨を経験できたことでいろんなことが実感できました。
実際にやってみるといろいろ解って楽しいですね!
これからもドンドン、死なない程度、
甘く痛い目見ていこうと思います。
■ファイントラック(finetrack) ツエルトIIロング 2?3人用
OD FAG0107 軽量 防水透湿 高強度