「 2013年07月01日 」一覧

216 iPhone5に変えて思うデバイスのことなのです。



新機種の噂が飛び交う昨今、
このタイミングでiPhone5に変えてきました。

いろいろ思うところはあるのですが、
iPhone5の話というよりも
自分がデバイスに何を求めているのか?が
また一つくっきり見えてきた気がして
良い経験になったと思います。

僕のモバイルデバイスを
持ち始めた年数はそこまで古くはありません。
2007年の7月頃?に発売された
「LOOX U」という小型PCを持ち歩く為に
イーモバイルのCFカードを契約して
上京したときなんかにつかっていたのが始まりでした。

当時はまだネットブックという言葉が出始めぐらいの頃で
今ほど外でのネット環境は充実しておらず、
データ端末もイーモバイルくらいしか使えるものがなかったと思います。
(エッヂとかあった記憶もありますが、128k速度だったような)

その後、イーモバイルの端末をS11HTという
WindowsMobileを搭載した端末を購入。
これが当時としては中々楽しくて
ぽちぽちいじってはニヤニヤしていたりしました。
この頃はまだiPhone3Gも発売されておらず
アンドロイドなんて聞いたこともないみたいな頃で
WM機でも僕的にはなかなか贅沢な環境だなっておもっていました。

それから何ヶ月か後にiPhone3Gが発表になり
しばらく様子を伺っていたのですが
とうとうガマンできなくなって購入。
当時はまだコピペも出来ない環境でしたが、
Twitterとの相性のよさや
写真の撮影が快適だったことなどで
S11HTはテザリング専用になってしまいました。
(パケット代をけちってイーモバイルを踏み台にしてた)

その後はiPhone4に乗り換えて4Sと
環境を変えて今に至っています。

iPhone登場後は、僕が言うまでもなく
モバイル界隈の環境が激変しました。
特にこの3年の変化はすさまじいものがあり、
今思い出すと「WindowsMobileって何だったんだろう…」
思ってしまうくらいiOSの登場と進化は
振り返ってみてもすごいなぁと思ってしまいます。
(Windowsフォン?ここらじゃ聞かないね…。)

そういった黎明期から一気に市場を引き上げたiPhone、
今はもう十分成長、安定している時期に入りました。

そこでふと思うのは
「iPhoneを買い換えてなにか良いことあるかな?」ということ。

4Sと比較して5はかなりの変更点があり
例えば、画面の大型化やLTE対応などは
とても魅力的に映ります。
が、結局発売から1年ちかく経つまで
僕は4Sのままでいました。

そして変えてみた今も
「確かにキビキビはするけど予想してたとおり
別に4Sでも良かった気がする」
と思っていたりします。

その、予想していた部分。
先に挙げた、「iOSの進化」と「安定期」が関わっていて、
すっごい砕けて言うと
「外側が代わっても中身は一緒」ということ。
「中身が一緒なら『早い』が『すごく早い』に
なった程度ではあまり感動がない」というのが
正直な感想でした。

この体験は、ネットブック登場までの間に
ノートPC周りで経験したことに結構似ている気がします。
その頃の持論として「WindowsXPが走ればどれも同じ」という
すっごい大雑把な意見(偏見?)を持っていて、
代わり映えのしないノートPC環境などから
なにか面白いことが起こりそうな
モバイルデバイスの方に興味が移ってしまいました。

「安定」というのは多くの人に受け入れられる
すごく良い要素だと思う反面、
「停滞」や「倦怠」を内包する危険性もあるなと思います。

iOSの進化はすさまじいものがありました。
ただ、そのすさまじさを体験してきたひとたちからすると
現状の進行にすこし倦怠感があるのでは?と
自分自身、感じることから推察しています。
劇的な進化の反動ですね。

ただ、見方を変えると
「モバイルデバイスは完成形に到達し始めた」といっても
過言ではないところに差し掛かって来てるのでは?と思います。

それはすごく喜ばしいことで、
安定した道具は信頼性が高く
長く愛されるものになって行きます。
iPhoneやアンドロイドがそうなってくれると
すごく楽しく、面白いことだなと思います。

そうやって現状を理解しては居るものの
どこかで「もっと良い方向に劇的な変化がないかな?」と
期待もしたりしていて、その期待感がiPhone5に投影されていました。
そして、失礼な話ですが、実際触ってみたときに
「うんまぁこんな感じだよね」と想像の範疇を超えない挙動に
なにか落差みたいなもの悲しさが残ったりします。

iPhoneはとても良いデバイスで、
これからもずっと使い続けて行きます。

使い続けて行く、と思うくらいに
素晴らしい製品である反面、
「道具としての地位を確立した時に
エンタテイメント性は完全に失われる」と
消失した(消費されてしまった?)部分にも
感慨があり、なにかこう今までよりも
実用で求めることは多くなっても
趣味として求めることはないのかなぁと
思ってきたりしているところです。

デジモノ系はとても大好きな分野で
いろんな新製品の情報にワクワクしていました。
ただ、最近は年のせいもあるのか
そういったワクワク感がやや薄れ気味だったりしていて
すこし寂しい気持ちになっています。

しかしながら、製品自体はいいものが多いわけですから
要は「自分の気持ちの問題」なのです。
こういった部分は人になにかを求めるのは
あまり行儀のいいことだとは僕は思わないので
自分から面白くしていかないといけないですね。

枯れた技術は水平させていかねば、と
先達の教訓を礎に考えていくのが大事なのだよーと
自分自身にカツを入れながらこれからも楽しく
デバイス周りをいじっていこうと思います。